ごあいさつ

卒後臨床研修センター長 平井 郁仁

卒後臨床研修センター長 副病院長 消化器内科学講座 主任教授
専門領域:炎症性腸疾患、消化管疾患
平井 郁仁

「常なる向上、常なる革新を目指して」
-より良い“学び”と“修練”のために-

卒後臨床研修センターは、平成15年4月に設置され、平成16年より必修化された新医師臨床研修制度に基づく臨床研修の運営と推進を担ってまいりました。新医師臨床研修制度が開始されて15年余りが経過し、これまでに当院(福岡大学病院および筑紫病院)では706名が研修を修了し、修了後は当院をはじめとした医療機関にて診療、研究や教育に携わり、地域医療に貢献しています。

当院は大学病院として多岐にわたる診療科・部を有し、各科・各部には臨床研修や専門研修に精通した多くの指導医が在籍し、多様な知とスキルを結集させてプライマリケアの修得から専門医養成に至るまでの強固な指導体制を構築しています。また、一次から三次までの高度救急医療現場での豊富な研修機会を確保しています。さらに、福岡市近郊から離島・へき地に至るまで50を超える臨床研修協力病院とともに臨床研修病院群を構成しており、地域医療や選択科目での充実した臨床研修が可能です。

研修プログラムの特徴としては、1年次に基礎を着実に固めてプライマリケアの修得に努められるよう必修科目をひと通り研修し、2年次は自由選択科目にて個々のニーズや将来の方向性を踏まえて柔軟に研修ができるように構成しています。令和2年度からは改正医師臨床研修制度が施行され、当院の新しい臨床研修プログラムがスタートしていますが、臨床研修のさらなる質の向上と多様性の創出を目的として、令和5年度の研修プログラムより研修協力病院と連携した「たすきがけのプログラム」を初めて導入しています。

医師の臨床研修は、社会人として働きながらも“学び”や“修練”が必要とされる特殊な就労形態です。臨床研修を効率的に、かつ円滑に進めるにはいろんな条件が必要です。まずは、臨床研修医が健やかに生活できることです。働き方改革でクローズアップされる医師の就労時間を守ることだけでなく、生活の質や環境も重要です。また、理想の医師像に近づくための“学び”や“修練”を、制限されることなく行うことができる臨床研修プログラムが必要です。我々のタスクはそれらを可能とし、より良い臨床研修を提供することです。福岡大学病院での研修が優れた臨床医の育成に役立ち、地域医療や先進医療に貢献できるよう努力していく所存です。

今後とも臨床研修の運営にご支援とご協力をよろしくお願いいたします。